ターニングポイント
「どう?座り心地は?」


陶子さんと並んで座ったカップルシート。



「せまい」


陶子さんはくすくす笑って新しく頼んだカクテルを手に取った。


パイナップルが飾られた、カラフルで甘そうなカクテル。


このシートにはお似合いな華やかさだ。


俺はできるだけ陶子さんと離れて座ろうとしたけれど、この狭さじゃどうにもならない。


かろうじてこぶしひとつ分くらいは間が空いてるけれど、ちょっと気を許すと、腕や太ももが触れ合う。


そのたびに、自分が健全な男子だということを認識させられた。


まったく……



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