ターニングポイント
俺は一つ咳払いしてから言った。


「陶子さん、酔った?」


「どうかしら……」


「……」


こんなシチュエーションは経験したことがない。


俺はどう言葉を継いでいいかわからなくなった。



「ねえ、私達、どう見えるかしら?」


俺は視線だけ動かして陶子さんを見た。


とにかく、この雰囲気を変えないと。



「老けた高校生と若作りのそのいとこ」


とたんに陶子さんはぷくっとふくれて俺を見上げ、手をつねった。



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