ターニングポイント
「私も喉渇いちゃった」


シーツも巻かずに闇に浮かぶシルエットはスリップ一枚。


体の向きを変えて見ないようにするが、背を向けるのもおかしいかと中途半端な角度になった。


近付く陶子さんに動揺を悟られまいと息をつめていると彼女が瓶に気付いた。


「ああ」

そう呟くとグラスの後ろに置いてあった栓抜きを取って手渡してくれた。


「ありがとう」


彼女はそのまま俺の後ろを通りバスルームに入った。


やっと普通に呼吸できるようになった俺は栓を抜いて、水を一息に飲み干した。



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