ターニングポイント
彼女は俺の腕を離さないまま、冷蔵庫を開けた。


「あの、離してもらえないかな」


「……」


瓶を取り出し、栓抜きを取り上げた音が聞こえた。


両手を使うためだろう、陶子さんは俺の腕に自分の腕を絡めてきた。


腕が引っぱられ、さっきより体が近づく。


栓を開け、水を飲む気配がするが、俺は窓の方へ視線を投げ、すぐ横の彼女をできるだけ見ないようにした。


陶子さんは、一体何を考えてるんだ。



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