ターニングポイント
「私が昔、しょっちゅうここに遊びに来てたのは覚えてる?」


「うん」


「あの頃、涼くんは野球少年で、いつもバットとグローブ持って練習に飛び出して行ってたよね。

ピッチャーで四番、カッコイイでしょって、瑞江さんの自慢の息子だった」


俺は、うまく相槌を打てず黙って聞いていた。


「悠くんも涼くんの後を追ってよく走って行ったっけ。

莉絵ちゃんはまだ小さかったけど、おしゃまで大人びたこと言って、よく瑞江さんと笑い合ったのを覚えてるわ。
まるで莉絵ちゃんの方がお姉ちゃんみたいねって」


ああ、たしかに、そんな感じだった。





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