ターニングポイント
「涼介、経験はある?」


俺はどきりとしてとっさに何も言えず、目を泳がせた。


それだけで彼女にはわかってしまったらしい。


「教えてあげる。
それとも…
私じゃ、いや?」


俺はかすかに首を振った。


「いやじゃない。
俺も陶子さんが……」


言いかけると、唇を人差し指で押さえられた。


「陶子って呼んで」


「陶子……」


俺が名前を呼ぶと、彼女は顔を伏せ、唇を合わせてきた。


何度も唇を甘く噛み、舌をからめ……





< 161 / 200 >

この作品をシェア

pagetop