ターニングポイント
気がつくと、カーテン越しに外が明るくなり始めているのがわかった。


並んでベッドに横たわり、心地よいだるさに身を任せ、眠りに落ちそうになっていると、陶子が言った。


「聞いてなかったけど、
涼介、
彼女いる?」


俺はドキッとして眠気が吹き飛んだ。


「いいの、いるんでしょ。
私のためにその子と別れたりしないでね」


俺は天井を見上げている陶子の横顔を見つめた。


何言ってるんだ?


たった今、愛し合ったばかりなのに。


俺がいぶかしげに陶子を見つめていると、陶子は俺の方に顔を向けた。



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