ターニングポイント
「もっとたくさん勉強して、たくさん経験して。
あなたにはやるべきことが山ほどあるわ。
だから、今夜のことも1つの経験としてあなたの中に覚えていてくれるだけでいいの。
私個人にとらわれないで」


陶子は俺の方に顔を向け、微笑んでそう言った。


理屈はわかる。


でも釈然としなかった。


それに……


「陶子はそれでいいの?
俺は、陶子を愛してる」


俺は真摯に自分の想いを口にした。


そう、俺はいつのまにか彼女を愛していた。



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