ターニングポイント
「じゃあ、その席は誰かに譲って。
陶子が俺と一緒にいたくないって言うんなら別々の車両に乗って行って、東京駅で合流するんでもべつにいいけど」


「……」


呆れられたかな。


さすがに悪ノリしすぎたかと、陶子の横顔をちらっと窺うと、意に反して真っ赤になっていた。


やった!


二矢目もヒット!


ほくそ笑んでいると、頬をつねられた。


「いてっ」


「いい気になってると痛い目に合うのよ。
それに、私が乗り換えるのは、東京駅じゃなくて品川駅よ。
そんなんじゃ、あなた迷子になっちゃうわ」


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