ターニングポイント
俺は『東京』と行き先の書かれた自分の切符と、目の前に差し出された『品川』と書かれた陶子の切符を見比べた。


「え、そうなの?
知らなかった…」


失敗したなぁとがっかりしていると、陶子は「しょうがないわね」とため息をついた。


俺は頬をさすりながら、しょげて呟いた。


「少しでも長く一緒にいたかったし、陶子を驚かせたかったんだ。
喜んでくれるかと思ったんだけど……」


恨めしげに陶子の顔を見ると、


陶子はまた顔を赤らめていた。



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