ターニングポイント
「私が高校生の頃は、夏休みはほとんど毎日部活の練習できつかったなあ。
炎天下、何十キロも走らされたのよ。
まあ、長距離やってたんだからしょうがないんだけどね。

でも、部活やってないとなると、夏休み、遊び放題ね。
何か予定してるの?」


「別に」


「友達と遊びに行ったりとかは?」


「たまに」


あまり交友関係には触れられたくなくて、適当に返事していた。


それを察したのか、陶子さんは話を変えた。


「ふうん……
ああ、涼くんの学校は進学校だから、宿題とかいっぱい出てるんじゃないの?」


「まあ、少しは」


「少しだけ?」


「たいしたことないよ」


「そう。
じゃあ、バイトでもすればいいのに」



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