ターニングポイント
「ねえ、涼くん。
瑞江さんが亡くなって、泣いた?」
唐突に聞かれ、俺は思わず陶子さんの顔を見つめた。
「え……
そりゃあまあ。
母親が死んで、泣かない子供はいないでしょう?」
俺は突然の質問の意図がわからず、苦笑しながら答えた。
そんな俺を見て、陶子さんはほんのり微笑んだ。
「そう、それならよかった。
母がね、お通夜の時にも告別式の時にも、涼くんは泣かずに、大泣きしている莉絵ちゃんを慰めてたって言っていたから。
母は、さすが長男はしっかりしてるってあなたを褒めてたけど……
あなたは溜め込んじゃう方だから、心配だったの」
「…別に、溜め込んだりなんてしてないよ」
陶子さんの人を見透かしたような言い方が気に入らなくて、反発した。
瑞江さんが亡くなって、泣いた?」
唐突に聞かれ、俺は思わず陶子さんの顔を見つめた。
「え……
そりゃあまあ。
母親が死んで、泣かない子供はいないでしょう?」
俺は突然の質問の意図がわからず、苦笑しながら答えた。
そんな俺を見て、陶子さんはほんのり微笑んだ。
「そう、それならよかった。
母がね、お通夜の時にも告別式の時にも、涼くんは泣かずに、大泣きしている莉絵ちゃんを慰めてたって言っていたから。
母は、さすが長男はしっかりしてるってあなたを褒めてたけど……
あなたは溜め込んじゃう方だから、心配だったの」
「…別に、溜め込んだりなんてしてないよ」
陶子さんの人を見透かしたような言い方が気に入らなくて、反発した。