ターニングポイント
やがて車は高速を下り、高台に立つ一軒のステーキハウスの駐車場に入っていった。


すでに夕闇がせまる時間になっていて、店の周りはぐるっとライトアップされていた。


重厚な造りのドアを開けると、広い店内が目に飛び込んできた。


黒光りする大理石のタイルの床。


モノトーンでまとめられたシックな内装。


真ん中に円形に作られたカウンター席。


円の中にシェフが入って、ステーキを焼き、目の前に座る客に提供している。


その周りを取り巻くように配置されたテーブル席。


そして窓際にも、外の景色が見えるように設置されたカウンター席があり、シェフが腕を振るっていた。


店内はまだ夕食には時間が早いせいか、6割くらいの入り。


入り口に控えていたウェイターに尋ねられ、陶子さんは、真ん中のカウンター席を指定した。



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