ターニングポイント
「え、『呪い』?
こんな普通の空の絵なのに?」


おもわず陶子さんを振り返った。


「どうしてでしょうね。
涼くんなりに受け止めたらいいわ。
題名も見てみると面白いでしょ?」


「うん、驚いた。
空で、呪い、ねえ。
空、呪い……
呪いっつったら藁人形しか思いつかないけどなあ……」


そうつぶやくと、陶子さんにくすくす笑われた。


「どうせ、イメージ貧困だよ」


「そんなことないわ。
私だって、呪いっていったらあとは黒魔術くらいしか思いつかないもの」


それからは、面白おかしく考えた絵の題名の解釈を陶子さんに話して笑わせたり、陶子さんの話してくれたイメージに突っ込みを入れたりしながら、楽しく絵を見ていった。




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