ターニングポイント
「マグリットの絵って、突っ込みどころ多くて面白いな」
俺がそんなふうに言うと、陶子さんは苦笑した。
「有名な画家の絵をこんなふうに見てるって知られたら、学芸員さんに叱られそう。
面白いけどね。
でも、少しはまじめな話もしましょうか。
マグリットは、シュルレアリスムの画家だってチラシに書いてあったでしょう?
シュルレアリスムは日本語では超現実主義って翻訳されるんだけど、超現実っていうのは非現実的ということではなくて、現実の中に隠れているもうひとつの現実っていうような意味らしいわ。
ほら、あそこにパイプの絵があるでしょう?
絵の下にフランス語で書かれているのは『これはパイプではない』って言葉なの。
で、題名は『イメージの裏切り』。
これなんか超現実主義の意味がよくわかる作品じゃないかと私は思うんだけど、どうかしら?」
陶子さんに言われて、俺はその絵を見た。
俺がそんなふうに言うと、陶子さんは苦笑した。
「有名な画家の絵をこんなふうに見てるって知られたら、学芸員さんに叱られそう。
面白いけどね。
でも、少しはまじめな話もしましょうか。
マグリットは、シュルレアリスムの画家だってチラシに書いてあったでしょう?
シュルレアリスムは日本語では超現実主義って翻訳されるんだけど、超現実っていうのは非現実的ということではなくて、現実の中に隠れているもうひとつの現実っていうような意味らしいわ。
ほら、あそこにパイプの絵があるでしょう?
絵の下にフランス語で書かれているのは『これはパイプではない』って言葉なの。
で、題名は『イメージの裏切り』。
これなんか超現実主義の意味がよくわかる作品じゃないかと私は思うんだけど、どうかしら?」
陶子さんに言われて、俺はその絵を見た。