ターニングポイント
その後もロックやポップな曲が続き、陶子さんも俺も、音楽に合わせて飛び跳ね、手をたたき、熱狂した。


2度目のMCのあとは、バラード。


前奏が始まっただけで、あちこちから悲鳴が起きた。


きっと、熱狂的ファンにはたまらない曲なんだろう。


俺は、知らない曲だった。


全員が座った静かなホールに、アーティストの語りかけるような歌声が響いた。


叶わない片思いの心情をつづったラブソング。


心にじかに響いてくるような切ない歌声に鳥肌が立った。



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