ターニングポイント
「こんにちは」

「いらっしゃい」


陶子さんは約束通り2時過ぎにやってきた。



涼しげなワンピースをさらりと着こなしている。

記憶の中の彼女はストレートのロングヘアだったけど、今はセミロングのウェーブヘア。

長さとスタイルは変わっても、つやのある真っ黒な色は変わってない。

そして、相変わらず美人だ。

以前より大人の女の色気が増した気がする、と思うのは、俺の方が色気づいたのか?

なんせこの前会ったのは、俺が小4の時。

見上げていた顔を今は見下ろしてるんだものな。

とはいえ、俺と目線がそれほど変わらないということは、170cm近くあるんだろうか。

あの頃はわからなかったけど、女としては背の高い人だったんだ―――



ふと、陶子さんをじろじろ見ている自分に気づき、慌てて体を引いて招き入れた。


「どうぞ」




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