ターニングポイント
夕食を食べたあと外が暗くなってから、また陶子さんに外に出ようと誘われた。


山小屋では、他にすることもない。


俺は素直についていった。


「見て」


陶子さんが空を指さす。


俺は息を飲んだ。


満天の星。


降るような星空っていうのは、まさにこういうことなんだな、と実感した。


地上ではたぶん見られないような小さな星々までがくっきりと見える。


「すげえ……」


あ、俺、ここに来て、このセリフ、2度目だ。


そう気づいたけど、他に言いようがなかった。



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