彼女のいるヒト
腰にもろに入った強烈アタックで、思わずしゃがみ込んだ。


痛いぜ、畜生……

ものすんごく!!


なっちゃんは隣で心配してくれていて、奈緒美は近くの輪に向かって怒っている。


クスクス笑う声。

耳障りな悪口。


奈緒美が睨む先には、薄気味悪く笑う派手な女子達。




わざとってか?

痛いっつーの


「蒼が何した?ボール投げた人謝って」

「はぁ?ミスっただけなんだけど?」


彼女達の中でも一際目立つ竹田さんが言った。

奈緒美がそれに怒ろうとしているのを止めた。


これ以上奈緒美を敵視させちゃダメだ


「そうだね。コントロール全然出来ないんだもんね。気にしてないから」


あたしは自分でも不思議な位冷静に言えた。

しっかりと竹田麻紀を見据えて。
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