青汁とカプチーノ



そのチビ男は、
ポケットに両手を突っ込み
ながら、こっちに
駆け降りてきた。

足、短っ……。


今、見下ろされてるけど
心の中では見下ろしてる
気分だし。


デカイ態度とって
何を言ってくるかと思ったら…

「宮澤サン……、血。」


え……?血?


チビ男はあたしの
長くてきれいな足を
指差す。



「うあ゙〜〜〜!!!!」



血ィ出てるーー!!!!


赤く染まる足。(←大袈裟な)
高校に入ってから
血を見たのは数える
くらいしかない。


みんなに過保護されてたから。
守られまくり?


…て、今また…
……ごつい声で
叫んじゃった??!


「わっ。すっげー声で
叫ぶんだな。
そんなキャラだっけえ??」


わざとらしく、楽しそうに
尋ねてくるチビ男。
口の形が「ひひひ」って
感じになってるし!!
ムカつくわ!!!!!


「っさいな!!!」

………ギャーーー!!!!

また素が出たぁぁぁ〜!!!

心の中で絶叫する。


もう、なんかズタボロ
だよねあたしのキャラが!!


「最っ悪……。」


もうショック…。


何?こいつ、ホント誰?


ちょっと睨んで見るけど
あっさり流された。


「これ、貼っとけよ!
じゃなっ♪」


ヘンなチビ男は、
手を突っ込んでいた
ポケットから絆創膏
を出して、あたしに渡すと

鼻歌を歌いながら
下手くそなスキップで
さっさと帰って行った。



名前名乗れよ!!!



この学校に入って、
あたしをお姫様扱い
してこない男は
さっきのチビ男が初めて
だった……。


なんか…イライラしてる
のに、笑いが込み上げて
くるような気分……。

けどっ!!
本性を知られてしまった。
ショックだ……。

さらけ出してしまうなんて。

何なんだよあいつはっ!!



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