青汁とカプチーノ




「…はい終わりっ!

…に、しても宮澤さんが
転ぶなんて初めてじゃない?」



養護の先生がフフッと笑う。


…いや、高校入るまでは
毎日のように自分から
滑りこんで転んだり
してたんですけどねっ。


あたし、本当は
男みたいな性格だから

…こんな傷くらいで
手当してもらったのが
初めてだって…。


とか、心の中で呟いた。


「階段は気をつけてね!
急いでたの??」



……あ゙っ。。

急いでるんだった…。

大相撲春場所………



もう始まってるし…。



今日はあきらめるか……。


「…いえ、とくに急いで
ませんでしたよ。
手当ありがとう
ございましたー。」


大相撲………。
見たかったのにぃ……。



でもでも、お姫様なので
イメージ維持のため、
猫かぶりの笑顔で笑う。

ニコッ。

「さようならぁ〜♪…。」

またヒクヒクした。

はぁ………。



家帰ろ……。


ガチャ……

肩を落として保健室から
とぼとぼ出る……と、


「倉井くん??!」


ドアの向こうでは倉井くんが
壁にもたれて

あたしを待っていてくれた。



「ケガ、大丈夫だった?」


「うん♪ただの擦り傷っ!」

顔が熱い……。


「そっか、よかった!
今日は、送ってくよ。」



おくっ…てくれんの??!


心拍数、只今、最高速度。


この学校に入ってから
こんなに私の心を
ドキドキさせたのは
倉井くんが初めてだ…。



初対面なのになんだろ
このドキドキ感は。



今日はなんかこの学校では
初めてのことばかりだな……。



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