青汁とカプチーノ



「紗梨ちゃん……。」


体だけ後ろを向いてる
あたしの机の前に
誰かがまた来た。

「……俺、貸すから。」



えっ…………?



この声は?!


聞き覚えのある声に
無意識に振り向く。


あたしの後ろに現れたのは…

「倉井くん………。」


たまたま、このクラスの
友達に会いに来ていた。


……運命じゃん!!

「俺のクラス、次は数学
だから、貸すよ。」



……おひょひょひょ♪←




「……ありがとう!」


やっぱり、理想だぁー!!

恋の種の芽が……?!


おひょひょひょ〜♪




このあとの記憶は
ふわふわしすぎてて
ほとんどない……。


「おっひょひょ〜♪」

「わっ!!!ねーちゃん!!
宇宙人かよっ…。
今日もひでぇな……。」


こんな弟からの
嫌味も今日は聞こえない。


「うんうん。人生いい!
うんめい〜!!!」

「…こりゃ重症だ。。」

家中をスキップで跳び回る。


「ンン〜♪」



この日を境に…いや、
昨日を境に、あの理想の人
との距離がうんと近くなった。

ような気がする。


…のに、やっぱり
寝ているときには
出てきてくれないのだった。


この日も、その次の日も
また……あのチビ男が

ケラケラ笑ってくる夢だった。。



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