青汁とカプチーノ



……あの青汁プリンが!!!


カランコロン♪


木のドアを妙な
ハイテンションで
押し開ける。


「いらっしゃいませぇ〜♪」


相変わらず、人少ねッ!!!

…客も。従業員も。


一言で言うと、
殺風景な小屋……?



あぁ…。二言言ったか。


狭いけど、全部木で
出来ているから
あたしは好きなんだ。

お気に入りの窓際の
2人がけの椅子に座り
両手を上に伸ばし、
素に戻ってくつろぐ。
やっぱりここの喫茶店
は、雰囲気が好き。


大好きな場所だけど
カンペキ美少女としては
こんな安いとこに来てて
好きな飲み物が青汁
だなんてキャラに合わない。


だから、あたしだけの
秘密の場所……。


誰にも教えない
いわば、秘密基地だ。


あまりにすべてが微妙すぎて
麻里にも言ってない。



コトッ。

店員はテーブルに水をおき、

「ご注文は??」


と、ニッコリ尋ねた。


わぁ♪店員、満面の笑み!!

やっぱ、あたし、美少女
だもんねー。←


…とは今は思わない。。


だって今、素だし。


…って、見た目は
変わらないけど、
演じる紗梨と素の紗梨は
あたしにとっちゃ別人だ。


ま、やっと客が来て
嬉しいんだろーな。

…とでも思ってしまう。



学校のあたしは、
素のあたしの
憧れの…理想の
女の子像だからな。



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