青汁とカプチーノ
「紗梨、なんであんなにカッコイイ人振ったのー?!
あたしなら即OKだわ。」
あたしの目の前で小さいため息をつく、こちらのメンクイちゃんは、あたしの親友。
で、素のあたしを唯一知る人物。
相川麻里。
今、あたしたちはレストランでドリンクバー(128円)だけ頼んで2時間居座っている…。
(え…営業妨害?!?!)
麻里は、この学校でやっと見つけたたった一人のあたしの本性を見破った同じ庶民の女の子。
庶民ってだけで友達になったと言っても過言ではない。
今は、なくてはならない大事な存在だ。
見た目は……かなり今どき。
メイクも上手いし。
髪は綺麗な茶色。
スタイルもいい。
ぱっと見お嬢様だが
中身はドケチな庶民。
「だって……。
トキメかなかったし…。」
ズボーーーッ!!!!
あたしが普通にサラッと
言うと麻里はストローを逆流させて、大きなな瞳をさらに大きくして叫んだ。
「ゲホッ!!それだけっ?!」
麻里の甲高い声にたくさんの人がこちらを向いた。
うっ……視線痛いっ。
もー麻里はっ!
「見られてる〜っ。」
ちょっと睨むと
「ゴメンってぇ〜!」
と謝る気のない謝り方をしてまたすぐ本題に戻った。
「それだけかよぉ。」
「それだけ。」
「もったいな〜い…。」
麻里はジュースをストローで掻き交ぜながらそう言う。
好きでもないし……。
「まぁ、たしかに、顔はいいかもしれないけど、…ナルシでキモい。」
まぁ、麻里はとりあえず
イケメンで、あと、玉の輿に乗りたいみたいで……。
あたしは性格も
よくなくちゃヤだも〜ん!!
そのためにあたしもこんなに可愛い子を演じてるのにさぁ…。