青汁とカプチーノ
そもそも、あたしがカンペキ美少女を演じるキッカケとなったのは……、
昔のクラスメートの何気ない一言だった。
――"紗梨さ……、
せっかく顔可愛いんだから
もっとオシャレとかして
女の子っぽくなったら
絶対モテるって!!!"
昔のあたしは、
…まるで男の子だった。
髪はショートヘアー。
私服といえば、Tシャツに半ズボン。
趣味は……ドッジボール。
…女のカケラもなかった。
たしか、体育の授業ではドッジボールはもちろん、サッカーや野球をするときも、先生に必ず男子チームに入れられたっけ……。
あれは小学生の頃..
――「好きなのっ!!」
たった1回きりの小さな恋も、こんな理由で終わった…。
『お前のことは…好きだけど、
…男友達としてな…。。』
『男……友達…。』
その時、あたしの中にも
(一応)あった乙女心が傷ついてその場に立ち尽くした。
…さすがにショックだった。
誰もあたしを女だとは思ってなかった。