暖めますか?【短編】
社長の気も逸れ、料理の方に移った。
こりゃ旨い!と満足しながら料理をたいらげていく。
よかった〜……。
この話無くなったら社長に何言われるか分からない…。
斜め前を気にしながらも、お客さんとの食事は無事成功した。
そっ〜と知美ちゃんの横を通り、会計を済ませ外に出る。
手を挙げ、タクシーを停めてお客さんに乗ってもらう。
「CMの件、週明けには連絡するから!今日はありがと。御社に頼んで良かったよ。」
別れ際お客さんはそう言い残して行った。
「ありがとうございました。」
去り行くタクシーに深々と頭を下げ見送る。
やった!何もかも上手くいった!
右手でガッツポーズを作り、にやけながら顔を上げる。
「!!」
顔を上げた先、そこにはレストランの入り口があり、そこからちょうど知美ちゃんの彼氏が出て来た。