暖めますか?【短編】
外に出ると、ビル風が冷たく冬の到来を感じさせる。
ブルっと震えがきて、隣のコンビニまで縮こまりながら走る。
コンビニは、オフィス街という事もあり、店内はスーツを着た人達でいっぱいだった。
店の中に入ると暖かく、肉まん始めましたのポップが目に入る。
「さっさと買うもの決めて、レジ行くぞ!」
先輩はそう言うと、カップラーメンと缶コーヒーを手に取った。
俺も急いで弁当を選び、缶コーヒーを手に取り先輩の後ろに続く。
「え?あの人ですか?」
並んだ先のレジにいる店員を見て、小声で先輩に言う。
どう見ても、50代の主婦にしか見えなかったから…。
「馬鹿!よく見ろ!その隣!」
先輩が小声で返す。
並んでる人に隠れてよく見えないが、オバちゃんの横にもう1人居るのが分かった。