暖めますか?【短編】
リボンを外し、包み紙を取って箱を開けた時だった。
ヒラヒラヒラ………
1枚の紙が床に落ちる。
「…なんだ?」
床に落ちた紙を拾い、何やら書かれた文字を見る。
「…え?…何これ?」
書かれた文字を読み、時間を確認する。
時計はちょうど19時を指していた。
俺はその紙を急いでポケットに入れて、部屋を飛び出した。
階段を駆け下り、会社のドアを押し開け隣のコンビニ裏の公園へと急いだ。
ドン!
「すみません…。」
「気を付けろ!ボケ!」
酔ったサラリーマンにぶつかりながらも、懸命に走った……。
まだ…まだ居てくれるかな…。
1枚の紙…。
そこには知美ちゃんからのメッセージが書いてあった。
『突然ですみません…。バイト終わったら、裏の公園で待ってますんで来てもらえませんか?……仕事終わってからでいいんで、待ってます。 知美』