暖めますか?【短編】

ハァ…ハァ…


公園の入り口に着いた俺は、膝に手を置き息を整える。
乱れた息は白く、ここまで何分も経ってないのに、手先が冷たくなってるのを感じる。


俺はポケットから手紙を取り出し、もう一度読んだ。
もしかして…先輩のじゃなくて…俺のチョコ…が?



先輩メモが合ってれば、知美ちゃんは15時にバイトが終わったはず…。


まだ居てくれ…


そう願ってポケットにしまうと、意を決して公園に入った。



こんなに近くにある公園なのに入ったのは初めてだった。
オフィス街にあるにも関わらず、割と大きい公園で中央には噴水が見えた。
きっとここでお昼を食べる人も居るのだろう…『お弁当等のゴミは持ち帰りましょう。』と書かれた立て札もあった。


シーンと静まり返った公園内、噴水の音と俺の足音しか聞こえない…。


やっぱりもう帰ったのか…それとも先輩とご飯食べてるのだろうか…



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