暖めますか?【短編】
キィー……キィー……
俺の足音と噴水の音に混じって、ブランコの音が聞こえた…。
キィー……キィー……
聞き間違いじゃない…
俺はブランコの音のする方へ急いだ。
キィー……………
ハァ…ハァ…
せっかく整えた息をまた切らし、ブランコの前に着くと同時にキィーとなる音が止む。
すっかり暗くなった園内で、電灯の下にあるブランコが明るく照らされている。
そこには知美ちゃんが居た。
「ハァ…ハァ……これ、チョコに入ってた手紙見て来たんだけど…。」
ポケットから手紙を出し、知美ちゃんに喋りかける。
「…来てくれてありがとうございます。」
ブランコから降りた知美ちゃんは、俺の前に立ってそう言った。