暖めますか?【短編】
しばらくの沈黙の後、
「「……あの〜」」
「「……どうぞ」」
2人の声が被って、クスクスと口に手をあてて笑う知美ちゃん。
それを見て俺も少し笑うが、口にあてた知美ちゃんの手は赤くなっていた…。
「…バイト終わってからずっと居たの?」
「…はい。…伝えたい事があって…。」
2月になってもまだまだ寒いのに…4時間も待っててくれたなんて…
知美ちゃんは恥ずかしそうに少し笑うと、俺に近付き大きく深呼吸した後言った。
「…もし……もし拓海さんに彼女が居なければ、私と付き合ってもらえませんか?」
─えっ!?
久々に会う知美ちゃんにドキドキしてた俺は、さらにドキドキして言葉が出ない…。
こ……告白だよな…。
一目惚れの相手から告白されるなんて……。