暖めますか?【短編】
「寒いから、ドライブがてら俺の車で喋らない?」
「うん!」
そう言って歩きだす僕達の頭上から、白い物が降ってきた。
「……あっ?雪。」
「本当だ。」
夜空から白い雪がヒラヒラと舞い降りてくる。
ホワイトバレンタインデー。
きっと2人が告白したから…。
手に息をあてて暖めながら、夜空を眺める知美ちゃん。
そんな知美ちゃんを見ながら、手を差し出し、照れ隠しも含めてこう言った。
「暖めますか?」
「お願いします!」
知美ちゃんはしっかりと俺の手を握ると笑顔でそう答えた。
【Fin】