暖めますか?【短編】
会社に戻り、昼食中もあの子の事ばかり考えていた…。
先輩はそんな事も知らず、『なっ!可愛かっただろ?』とか、『いつご飯誘おっかな〜』とか言ってた。
確かに可愛かった…
それだけ?
会社内でも可愛い人、綺麗な人はいっぱい居る。
もちろん学生時代にも…
でも今日みたいな感覚を覚えたのは初めてだった…。
「ん?何だ拓海?知美ちゃんに一目惚れでもしたか?」
カップラーメンを口一杯に頬ばりながら、冗談まじりに言う先輩。
…一目惚れ…?
俺が?この歳で?
この歳で?は何だけど、そもそも俺は一目惚れって考えに否定的な方だった。
性格も知らないのに、好きになるわけないって考え。
じゃあ今の俺の気持ちは?もう一人の俺が聞いてくる…。