記憶のかけら
「……」
 ただ、なんとなく同調してしまうところに出会った。
 灯台から、遠くの海で泳ぐイルカ達を見つめている黒猫の絵。諦めだしたのか、泣くのを我慢しているのか、なんだか哀しくなる目をした黒猫の絵が描かれている。
「猫は、虚しくなった」 他の動物に嫌われている自分(猫)
「自分は本当にひとりなんだと思い」
 声を上げても、誰にも気が付いて貰えない。
「猫は、淋しくなった」 文章ではそう書かれていた。
「でも、猫くんはひとりではなかった」
「え……?」
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