死発列車
「…あぁ確かにな…しかし俺は先輩を…」
「先輩を死なせたくない…だろ…?」永沼が話を遮る。
「…あぁ…。」


少しの沈黙があると…
「…ならこうだ!!俺ならこの爆弾をいとも簡単に解除できる…!つまりだ…もしこっちの爆弾を解除して3両目をお前が爆破させたら、お前の家にある爆弾の解除方法を教えよう…そして俺を逮捕するがいい……しかし、俺に頼って解除した場合………………お前の命と引き換えにお前の家の爆弾を解除してやろう…。ただ俺を逮捕できなくなるし、いずれにせよ松川を死なせることになるがな………。逆にこっちを爆破させるなら松川を守り、かつ 憎い俺を殺すことだってできる……ただお前も家族も死ぬ…。……さぁどっちにするんだ…?」なおも笑った。





吉田は考えた…。


どうしたらいい……?松川先輩も家族も死なせたくない………けど……こいつを逮捕したい…。

その時、松川に言われた言葉が頭をよぎった…。
『いいか吉田!!俺たちは、いざとなったら自分たちの命を犠牲にしてでも目の前にいる犯人を逮捕するんだ…!これが俺たち警察の使命って奴だぞ……!』
松川先輩ならこの状況を理解してくれるはずだ…!俺は目の前にいる犯人を逮捕する…!そしてこのゲームをやらせている組織を突き止めてやる!吉田は固く決意した。


「…お前を殺したら今までの意味がない!!俺は犯人のお前を逮捕して死刑台に送ってやる…!それが俺の使命だ…!」
つまり吉田は自分たちで解除するつもりだ。
「…ほう…?ならゆっくり見守ってやるよ…!クククッ…」
そう言うと永沼は車両の端に座ってこっちを見ていた…
「…だ…大丈夫なのか…!?」眞加辺が言った…。吉田は黙って2つの爆弾を眺めていた…。

松川先輩…許してください…。

[3両目]
………どうやら気付いたようだな…

松川は先程のやり取りを見ていた…。かすかに微笑む…。

松川は死ぬ覚悟を決めた…。

私が死ぬ……か……

「……爆弾を開けるよ…。」
「…お…おい…」中嶌が戸惑ったが、松川は構わずドライバーで爆弾のフタを開けた。
開けると、赤く表示された時間と赤く点滅しているランプ…そして6本のコードがあった…。

「…赤…青…黄…緑…茶…黒………」
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