死発列車

……
ドーーーンッ!!!


その瞬間大きな爆発と地響きが伝わった…

「…きゃーー!!」木南が叫ぶ。
煙が車内を包んだ…。
「…わぁ…!見えねぇ…!」
「……おい!大丈夫か!?」




数分経つと視界がよくなっていった…。どうやら天井の一角から煙が外に出ているらしい…。
どんな頑丈な車内なんだ…煙がやんで爆発したところを確認した…………が…………あったのは 男性の右腕が取れた、黒と赤で染まった死体であった…。

「…うわっ………!」
「…見ちゃだめだ…!!」大原が必死に隠す…。
辺りは肉片が飛び散っていた…
どこが軽い爆発だ……


ひでぇ……


木南は見ちゃだめだと言って腕を広げた大原のその腕の間から焦げて血まみれになった死体を見てしまった…

それは生々しいものであった…

「………きゃーーー…!!!」

目の前が真っ白となり体の力が抜けた……

「…おいっ……!しっかりしろ…!大丈夫か…!……おい…!……」









………
……………おいっ……
……だいじょう…ぶ……か…………

「……おいっ!」
「…はっ………」
木南の意識が戻った。目の前には松川がいた。
「……大丈夫か…!?」
「………は…はい……なんとか…」
夢であってほしい……そう思ったが……松川の腕にまだ掃い切れてない肉片を見た瞬間 また真っ白になりそうだった…

「……とにかくあっちの席で座ってろ…」

木南は重い足どりで車内の端の席に座った。白井も、松川の思いを変えさせた家族の息子も座っていた。

すでに死体は私たちから見て対角の位置に移っており、上から松川の服が被せてあった…。

もうこんなゲーム嫌だ……

[2両目]
3両目で爆発があった瞬間、アナウンスが流れた…

ピンポーン…
「…3両目、解除失敗…。爆破コードは『青』です…。…只今までの結果…0勝0敗……」

「……青か…。」
吉田は2つの爆弾の青を切断した。
爆発しないと分かっていても手は震えてしまい、上手く切ることができなかった…
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