死発列車
[3両目]
残り15分…
ヒントが書かれた紙を取り出すことに成功した松川はすぐさま解除にあたった…。

ネジ横に描かれていた色の付いた丸いマークは、このネジを外す際 マークの色が繋がれていないと爆発してしまう ということだった。
例えば『赤』と『青』のマークが描かれていたなら、『赤』と『青』のコードが切断されていた場合それぞれテープで再びコードをくっつける必要があった。

その要領で1つずつのネジを開け、ヒントが書かれた紙を取り出した。

「……さへほ…?」
縦書きで『さへほ』とだけ書かれていた。

残るコードは黄・茶・黒の3色…
一体『さへほ』とは何なのか…!?

[2両目]
「……お願いだ……解除させてくれ……」
今度は吉田が美倉に土下座する。
「…頼む…!みんなを守りたい…あいつを逮捕したい…そんな気持ちでいっぱいだと言いたいが、正直私自身死ぬのが怖い…また家族と会いたいという気持ちの方が上なんだ……!!」
「…そんな……!」
吉田からも美倉からも涙が溢れる…

吉田が解除を始めようとした……。
死んでも死ななくてもどちらでもよかった…。
ただ神様によって私たちを生かすか生かさないか決められる…。

もし私が生きるを許されるなら…………

吉田はペンチを握り『茶』のコードを挟んだ…

[3両目]
残り10分…!
不可解な文字列『さへほ』の意味が分からない…
松川の額からは汗が滴り落ちていた。
「………さへほ……」
紙に書いて並べてみたり平仮名を変換してみたりする。

誰かが 頭を抱える松川からペンチを奪って爆弾のコードを切ろうとした。
「……き……君…!!ちょっと!!」
それは藤代だった。

ナミに失礼なことをしてしまった…。

そんな思いから犠牲になろうと思った…。

この爆弾の爆発だけでも先程の人のように死ぬことだってできる…。

お願い……ナミだけでも生きて……!もしお互い死んでも天国で会おうね……!!

藤代は松川が奪い返そうとする前に爆弾を抱えて車内の端に駆け寄り3本の内の2本を素早く切断した……………

[2両目]
爆弾には何の変化もない…
つまり『茶』は爆破コードではなかった…。

車内の緊張が一瞬解けた…………しかし……
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