死発列車
母に渡されたティッシュで涙を拭きながら、私は頷いた。

父が爆破に巻き込まれた…しかも訳の分からない組織によってやらされた残酷なゲームによって殺され、自ら娘のために命を絶った…………なんてことは私の口から言えるはずなかった…。


後のニュースを見て母は、父が列車事故で亡くなったと知ってひどく悲しんだ……
母の悲しむ背中を久しぶりに見た……



お父さん……あたしを守ってくれてホントにありがとう………いつも何かしらお父さんに助けられちゃってたよね……でも結局お父さんを守れなかった………ごめんなさい………。あたしが生き残った今…お父さんのようにはできないかもしれないけど…今度はあたしがお母さんを幸せに…大切にしていきます……。
…………どうかあたしたちのことを優しく見守っていてください……………

美倉の手には3人が笑顔が写った写真が握りしめられていた…。

それは最後に撮った家族写真だった…

★☆『その2、3両目』 完。
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