死発列車

「…さて…次…さっきから固まっているそこの三人…」
中津が言った三人は恐怖でなのか手を繋いでおびえている女子高生だった…。

こいつらか…さっきから何かある度にキャーキャー悲鳴を上げていたのは…

中津に呼ばれた瞬間ビクッと音が聞こえるような驚き様だった。
まだ整然としている一人を除いて他の二人はめがねをかけていかにもこういう空間が苦手そうだった。
「…わ…私たちはただの旅行で…今からランドへ向かっていた…んです…。」
めがねの二人が小さく頷いた。
「…はぁ…んで名前と覚えていることは…？」
「…私は水原 要(みずはら かなめ)。特に覚えてることなんかないです…。」
水原は慣れたのか少し落ち着いて話した。

茶色に染めたストレートヘアーは彼女が動くとキレイになびいた。薄い化粧を施し顔全体が淡い色を放っており、見るからに男子高校生の注目の的になるような子だった。
家は一般的な家庭で家族とも平和な暮らしをしていた。

その一方で…
「ほら…ミユとカオリも…」
水原が促すとゆっくりとその重い口を開いた。

高見 未夢(たかみ みゆ)は少し顔がぽっちゃりしておりショートヘアーの髪がその太り具合を強調していた。特に化粧をしているという訳でもなく細い目が小さく開いた時にはキレイな瞳が映った。
彼女も何も変わったことがなく今日の電車に乗ったらしい。