死発列車

「…さて…あとの方々も手短に何か覚えていらっしゃることはございませんか…？」
坂下が重い空気の中で切り出す。
「…ちょっと！こんな状況でもまだ聞くの！？」
20代かと思われる女性がこちらに２歩 歩み寄って言い返してきた。
「…車掌…つまりこの列車を操っている人だと思われますが…その人が誰だか知るためにはいろいろお伺いしなければなりませんからね。」
「…まぁ…そうだけど…」
女性は少し間を空けてため息をつくと話し出した。

「…淀呂目 冥哩(よどろめ めいり)といいます…。私もただこの友達とクリスマスパーティーの準備をしにちょっと買い出しに行くところだったし…。だから何もこんなことが起こる予兆とかも感じなかったしぃ、電車乗ってからもアイリと盛り上がってたから…」
そう言うとメイリより年下かと思われるそのアイリを指差した。
「…私もメイ姉ちゃんと同じで何も分かんなくて…」
２人は無理矢理日焼けした肌、カラフルな服装、そして金髪という なんだか汚ならしいイメージを植え付ける姿をしていた。
ついひいてしまった…。