死発列車
「…ねぇお母さん…?あたしのお父さんってどんな人だったの…?」
「えっ!?」
「…ごめんなさい、変な質問してしまって…。でもお父さんがいなければあたしは生まれなかったんだよね…。あたしをお母さんのとこに生まれさせてくれたお父さんのことを知りたいの…」
雫の腕はもう限界寸前だった…
霞は涙を浮かべ答える…
「……雫…今まで隠していて本当にごめんなさいね…。
………うん…お父さんは優しい人だったよ…。雫を誰よりも愛していたわ。…お父さんったら雫が生まれたとき嬉しくて泣いちゃったんだから…。『雫』という名前をつけてくれたのもお父さんだったのよ。……それなのに………お母さん、雫に辛い思いさせちゃった…!…ごめんね…!だから……」
「ううん…言ってくれて嬉しかったよ。『雫』ってお父さんが付けてくれたんだ……素敵…。…お母さん…最後の最後まで本当にありがとね…私の分まで生きてね……お母さんもお父さんも大好きだよ…」
「雫!!!」
ラインも止めようとしたが、雫は手を離し一瞬のうちに目の前から消えた。ラインはその一部始終を見てしまった…。
「しずく!!……しずくウウゥ…!!うっ…う…うっ……」
霞の泣き声が辺りに響いた…