死発列車


「う~、さみぃ~!」


今年茨城の大学を卒業した相沢 一(あいざわ らいん)は、今や立派な大人となって就職活動をしている。
ラインの外見は爽やかなイメージを持たれることが多い、というか本人も自覚している。
染めるコトもなくちょっと立てた髪は なおさらそのイメージをまわりに植え付けていた。
身長も高めで、みんなが理想とする人物像である。
ただ昔から理屈っぽく、ただでさえ今日のクリスマスに不満を持ってる。


だいたい日本人は元旦にお参りに行ったり、クリスマスを祝ったり…一体いくつ宗教を支持してんだ…
しかもキリストが実際生まれたのは12月25日ではないんだ!そんなの新世界訳聖書をみれば分かるぞ!!日本人は一体なんのためにこの日を祝ってんだ…




ラインは意外と聖書の研究者でもある。



今日は、会社の転勤先の話があるために朝の始発に乗らなくてはいけない。
そのために目覚ましを早めに設定したのだが、時計をみたら5時08分…ちょっと急がなくてはいけない。

かばんを右手に持ち、昨日コンビニで買った菓子パン、ネクタイを左手に持ち、急いで家を後にした。
駅までは歩いて30分ぐらいかかるため、ちょっと駆け足で駅に向かう…






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