死発列車



「……………………………!!……イヤァアアアアァアアアアアーーーーっっ!!!……………ラインーーー!!!!ラインーー…イヤァアアアアア…!!!」

辺りに立川の叫ぶ声が響く…










死ぬのは怖かったが最後に立川を守ることができてよかった…


俺はゲーム開始から、最終的には自分が死ぬつもりでいた。
だが途中から『死』に直面して泣き叫ぶたくさんの声と乗客全員の一人一人の人間性を重ねたとき、非常に恐怖と悲しみで満たされてしまった…



自分はあとどれくらい生きることができるのだろうか……と。


思えば江口の死が一番俺にはこたえた…。
なぜ最初に面したとき、自分の心で彼を嫌っていたのか…

今では自分が憎くて仕方なかった…。

でも今ヒトのために死ねる……いや、そうしなくてはいけなかったのかもしれないが…。


今した自分の選択に後悔はしていない…。愛する人を守ることができた…

それだけで心は満たされている…





< 55 / 157 >

この作品をシェア

pagetop