死発列車



自分の部屋を少しキレイに整頓すると、1階へ降り母が焼いてくれたパンをくわえた。
『ほら、ちゃんと座って食べなさい!』
『ん。』
『ちゃんと財布は持った?』
『うん。』
『落とさないよう気をつけるんだよ。』
『ん。』

そんな気持ちのこもってない会話を続けると母は溜め息をついた。











『んじゃ行ってくるね!』
『……はい、気をつけていってらっしゃい!着いたらお母さんに連絡しなさいよ。』
『…はいはい。じゃあね!』


駅は徒歩5分ぐらいのところにある。



寒いなぁ~…



世間はクリスマスだというのに、あたしには一緒に過ごす彼氏も友達もいない…。


そう思うと冷たい風がさらに冷たく感じた。








駅に着くと飲料水を買った。美倉にとって水は必需品である。


来年こそ痩せるんだ…!


去年も同じことを考えて買ったような……
そんなデジャヴが押し寄せたが深く考えないことにした。












改札口に近づいた瞬間、誰かが私を呼んだ気がしたが…ふと上にある電光掲示板を見ると…



……やばっ!あと3分で電車発車しちゃう…!

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