死発列車

[3両目]

一方3両目では一部の人たちを除いて淡々と爆弾を探し始めていた。
高校生の木南 奈良井(きなみ ならい)は爆弾を探すのに恐怖を感じ、未だ探し始めていない一人であった。


彼女はバレー部の合宿を控えていた。熱心な木南は部員より先によく練習を行っていたり、部員がすぐに練習を始められるように早めに準備したりと、後輩からしてみれば憧れの先輩、友達からは信頼を集め、学校側からも彼女は注目されている存在であった。
今日も早朝から合宿所での準備のために始発に乗った。

しかし自分の知らない間にゲームは始まり、乗客が爆弾を必死に探している…

まったくどうしたら良いのか分からなかった。
自分が『死』との瀬戸際に立っていることを考えると頭の中が真っ白になり、意識が戻ると今度は恐怖でいっぱいになる。


そして部員の人たちの顔が次々と思い浮び、その度に木南はただただ独り言を言っていた。


「……まいまい……、かっちゃん……、ナオ…みんな…助けて……!」









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