死発列車




白井 眷田(しらい けんた)は、この車両の最年少である。

小学三年生の彼もまた恐怖のあまり爆弾を探せずにいた。
これから従兄弟の家へ泊まりに行く予定で、広島までの長い旅は特急列車に乗って余裕をもって行くはずだったのだが、誤ってこの列車に乗り込んでしまった。

彼の中で何度も後悔が繰り返される……



まだ爆弾を探し始めてはいないが黙って座席に座ると、泣くことをこらえて前を見据えていた。





そんな中、先陣をきって爆弾を探し始めたのは、松川 春八(まつかわ しゅんや)だった。彼は元警察官の爆弾処理班だったためこの手の分野は得意であった。
26歳という若さで『一度の小さなミスをしたから』という理由で現役退職し、今はプログラマーとして大企業に携わっている。

あれから5年経った今でも彼の爆弾処理に関する能力は衰えておらず、今 再び五感を研ぎ澄まして爆弾の捜索にかかっている。






すると…


「…よし、見つかった…!」

1つ目の爆弾は端にある座席の下に隠されていた。

「……でかしたぞっ…!」

車内に微かに笑みが浮かんだ。









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