死発列車
そして今回も大原は『目の前の人を助ける』…
「……絶対にこいつらを死なせねぇ…!」
大原は必死に探した。
美倉もようやく捜索を始める。
「……うわぁあ…!!」
中年の男性が突然かすれた声で叫んでしりもちをついた。
「どうした…!」
車内にいる者が皆手を留めて駆け寄った。
「………ば……爆弾だぁああ…!!」
男性はいきなり目に時限爆弾が飛び込んできた驚きで腰が抜けてしまった。
爆弾は消火器の裏に隠れていた。
「……落ち着け…!とりあえずお前ら離れてろ…。……よし…おっさんよくやったぞ…!!」
大原は丁寧に爆弾を取り出した。
「……あっ…あっ……!」
男性はまだ恐怖で過呼吸になりつつあった。
「…大丈夫だ!!落ち着け!まず深呼吸しろ…!」
大原の適切な処置をしている間、皆はただその場で棒立ちになっていた。
大原がいると こんな状況でもなぜか安心できた。
徐々に男性は落ち着きを取り戻し、ゆっくり呼吸をするようになった。
「……はぁ…ありがとう……。助かったよ…。」