死発列車
[3両目]
ピンポーン…
『…只今2両目にて爆弾が発見されました…残り2つです……』
「……ふんっ!上等じゃねぇか…!やってやるぜ!!」
中嶌 俊夫(なかじま としお)は拳をつくって気合いを入れ直した。
彼とすれ違ったほとんどの者が彼を見るなりつぶやく…
自分勝手な人だ……と。
だが彼にそのことを指摘できる人はいない。
体つきもよく身長も高い。
一度中嶌が現在も通う学校で問題を起こしたとき、委員長がそのことについて指摘すると 容赦なくボコボコにされ、彼は全治6ヶ月の大怪我をしてしまった。
学校側も、なぜ彼がそんな大怪我をしたのか本当のことは分からなかった。
中嶌によって口封じをされていることなど誰も知る由もなかった。
中嶌は今回のゲームではただ勝つことしか考えていない。
いや…むしろ単にテレビゲームの感覚で爆弾を探していた。
「…お前ら早く探せっ!!」
体格や身長を武器に車内にいる者に指示を出していた。
そして中嶌はまだ探せないでいる木南や白井たちの存在に気付いた…