死発列車
「……ねぇ、もうこんなゲームやりたくないよ…」
美倉より身長が低く、自分より年下に見えた。
なんでこんな子までゲームに参加させられているのだろうか…
ひどい…
美倉は彼女を哀れに思うだけで、どうすることもできない。
自分の無力さが身にしみる……
美倉はそっと少女の頬に手を添えた…
肌の温もりが手を伝って心に達する…
「…私だってそうよ……。……正直……怖いの……。この状況じゃゲームを棄権できそうにもない……。このゲームがもし本当なら………やっぱ死にたくないし、みんなを死なせたくない……あなたのことも…。だから私は探すわ。……でも…無理に爆弾を探さなくてもいいんじゃないかなぁ…?…今は私たちにまかせて…!休んでても誰もあなたのことを責めないから…」
「………………うん…」
少女は少し不安な顔をしていたが、やがて落ち着くと席に腰掛けた。
木ノ本 紗耶香(きのもとさやか)。
今年高校に入学したばかりで、木ノ本にとって今が一番楽しい時期であった。