死発列車
人に頼る性格は相変わらずで、高校に入って親友を作ると、抱えている悩みを一つ一つ相談にのってもらっていた。
木ノ本は両親とも他界し、今は父方のお兄さん家族に居候(いそうろう)している。

だが、木ノ本の人に頼る性格は親がいなくなってからますますひどくなった。

そして相談相手になっていた親友は少しずつ彼女から距離を置くようになっていた…




…おばあちゃん家に行っただけだったのに……まさかこんなことになるなんて…


彼女にまた1つ、悩みが加わった…





そんな彼女に対してチッと舌打ちをした男がそばにいた大原に突如怒鳴った。

「…なぁ、俺らはなんでこんなことしなきゃいけねぇんだ!?…てめぇ何か知らねぇのかよ!?」

「だから知らねぇよ!!そんなことが分かっていたらとっくに言ってるだろ!…いいからまずは爆弾を探せ!!」
「……なんだと!?」
男は大原の胸ぐらを掴んだが、大原の堂々とした目つきに引き下がった。
「…チッ!!」



「…俺もなんでこんなことさせられるのか分からねぇ!一体どうすればこんなクソゲームから解放されるのか…このゲームを誰が操っているのかってこともな…」
「……………」
男は黙って捜索を再開した。


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